胃カメラ206件、大腸カメラ134件でした。今月も直前のキャンセルが多く空きが出ることがありましたが、別の患者さんの検査にうまくまわすことができ、結果的に件数は多かったです。また、少ないですが無断キャンセルが毎月あるため、対策として事前のWEB問診未回答の方に連絡が取れなかったとき、留守番電話やメールが可能な場合は返答の期限を決め、メッセージも残せない場合は前日の朝までをデッドラインとし、返答なければ当方でキャンセルして検査枠を空けることにしました。こちらのお知らせまで読んでくださる方は無断キャンセルはしないと思いますが、ホームページ内に何箇所かこのような予約キャンセルに関する文章を残しておいた方がいいと思い書きました。

今回取り上げる画像は1年前に経験したものですが、最近取り上げた画像の流れで選びました。主訴は便秘と下痢を繰り返すとのことで過敏性腸症候群と思っていましたが、大腸内視鏡検査をおこなった時の画像です。

小腸と大腸の境目である回盲弁が変に盛り上がっており(粘膜下腫瘍様)、生検をしたところNET(神経内分泌腫瘍)の診断となりました。患者さん希望の医療機関に紹介し、腹腔鏡下回盲部切除術が行われました。NETは腫瘍の細胞増殖動態によりG1、G2、G3と分類されますが、前に提示した直腸のNETはすべてG1で、この症例はG2でした。Ki-67標識率が3.5%とG2(3〜20%)のなかでもG1(3%未満)寄りでしたが、リンパ節転移などもありpT4N1M0. pStageⅢBの結果でした。昨年末に患者さんが当クリニックに胃カメラ検査で来院されたので状況をお聞きしたところ、追加治療なしの経過観察で再発はしていないとのことでした。今回は病気が症状と直接関係なかったかもしれませんが、慢性の便秘や下痢でも1度は大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。