胃カメラ181件、大腸カメラ102件でした。2月は診療日数が少ないので件数もいつもより少なくなっています。予約状況は緩和され平日であればおよそ3週間待ちです。これまで大腸カメラの下剤と検査食をお渡しする事前受診に来院されないので連絡したところキャンセルになったり、連絡さえもとれなかったりすることがあったため、事前受診を原則大腸カメラ予約日の1週間前までに来院してもらう方針にしました。遠方の方やどうしても1週間前までに予定がとれない方は構いませんので(きちんと受診してくれることがわかれば大丈夫ですので)、電話予約の際にスタッフにお伝えください。

先月は直腸NETの画像を取り上げました。最初に投稿した時は5ヶ月間で5人の患者さんがいたと書きましたが、投稿してまもなく他院に紹介した一人の患者さんの治療結果が届き、なんと直腸NETではありませんでした。その患者さんも生検で診断がついていませんでしたが、私の勝手な思い込みで直腸NETとしてしまいました。慌ててその患者さんの画像を削除して人数を修正しました。申し訳ございませんでした。今回はその患者さんの画像を再度取り上げます。

近接

NBI像

ESMR-Lという方法で断端陰性で取り切ってもらいましたが、病理結果は「神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)」と呼ばれるものでした。神経鞘腫はシュワン細胞由来の腫瘍で大腸ではマイスナー神経叢、もしくはアウエルバッハ神経叢由来と言われています。中枢神経系、頭頸部、体幹、四肢の軟部組織に好発しますが、消化管に発生する頻度は低く、そのなかでも大腸はさらに稀と言われています。大腸では粘膜下腫瘍様の形態をとることが多いですが、画像的には特徴的な所見に乏しく、NETやGISTと呼ばれる粘膜下腫瘍の形態を呈する疾患との鑑別は困難とされているそうです。先月の直腸NETの画像と見比べてもらうと、そっくりなことがわかって頂けると思います。また、生検により確定診断に至ることも少ないそうです。これからもめずらしい疾患があれば、自分の勉強もかねて、こちらにUPしていきたいと思います。