胃カメラ208件、大腸カメラ131件でした。平日はおよそ3週間待ちで予約できる状況です。今月数えてみると、直前のキャンセルや無断キャンセルで検査ができなかった枠が8件分ありました。私的にはその時間は休めるのでよいのですが、すぐに検査してほしい方にその枠で検査ができればと、いつも思っています。こちらから電話した時に必ずつながるとは限らない理由からキャンセル待ちは導入しておりませんので、ご了承ください。

以前取り上げた咽頭食道憩室の症例をまた経験しました。56歳女性患者さんの胃カメラ検査で内視鏡を食道に入れた直後、画面いっぱいに食物が充満しており、状況がよくわかりませんでしたが、内視鏡を少し引いたところ憩室内に入っていたことがわかりました。もし強引に内視鏡を押し込んでいたら穴が空いた(穿孔した)可能性もあるのでよかったです。咽頭食道憩室を取り上げた月のリンクを貼っておきます。→11月の内視鏡実績(2022年)

咽頭食道憩室:画面中央から左に憩室があり、憩室内に食物残渣を認めます。右の管腔は食道です。

 

先月、自己免疫性胃炎を取り上げましたが、今月は新たに3名、自己免疫性胃炎と診断しました。今月は少し多かったですが、めずらしい疾患ではないことを感じております。その中の1名の胃カメラ画像を提示します。

胃の前庭部は胃炎を認めず

胃体部は萎縮のため血管透見像が目立ちます

この患者さんは7年前にピロリ感染と診断され、除菌薬を服用するも尿素呼気試験が陽性(+)で除菌不成功と判断され2次除菌薬が処方されました。そのあと患者さん都合で除菌の効果判定はしないままとなっていました。今回胃痛、胃もたれ症状で当クリニックを初診されました。胃カメラ検査の結果はピロリ感染ではなく自己免疫性胃炎でしたので、消化器内科医の中ではよく知られている「泥沼除菌」という状態にならず、結果的にはよかったと思います。泥沼除菌とは自己免疫性胃炎など胃酸が少ない状況では口腔内や腸内細菌叢由来の細菌が胃内に生息可能で、それらの細菌の影響でピロリ菌がいないにもかかわらず、尿素呼気試験が陽性になってしまい除菌治療を繰り返し受けてしまうことです。なお、この患者さんは便のピロリ抗原検査で陰性(ー)を確認しました。

先月の内視鏡実績の記事の中で自己免疫性胃炎の診断に有用な抗胃壁細胞抗体は保険収載されていないため通常検査しないと書きましたが、今回自己免疫性胃炎を疑った3名には全員クリニック費用負担で検査を行い、3名とも抗胃壁細胞抗体が陽性(+)であったことを確認しました。抗胃壁細胞抗体が保険収載されると助かりますし、自己免疫性胃炎と診断されることも増えると思っています。自己免疫性胃炎と診断された方は定期検査が重要になってきますので、放置しないようにしましょう。