胃カメラ197件、大腸カメラ126件でした。体調不良などによる直前の予約キャンセルも多いですが、代わりの予約が入ることもあり、件数の落ち込みはそれほどありませんでした。私も休診にならないようにこれからも体調管理に気をつけていきたいと思います。

以前にブログの方で書かせてもらった抗菌薬服用後の下痢でCDI(クロストリディオイデス・ディフィシル感染症)という疾患の患者さんをまた経験しました。48歳女性で特に基礎疾患がない患者さんでした。前回と同じように副鼻腔炎の診断で耳鼻科から抗菌薬が処方され、服用後5日目から1日6回以上の下痢症状が出現し当クリニックを受診されました。血便はなく症状は軽快傾向であったため、CDIも鑑別として考えてはいましたが、その場で便の検査は行わず、大腸内視鏡検査の予約をしてもらい帰宅となりました。1ヶ月後の大腸内視鏡検査で便検査をしてCDIと確定診断しました。発症から時間がたっての検査となってしまったこともあり、炎症所見は軽微でした。開業してからは患者さんの手間などを考え、診察時に便検査をオーダーすることがほとんどないため、抗菌薬服用の有無は確認していますが市中感染のCDIを見落としているかもしれないと思いました。ブログの方にCDIのことを詳しく書いていますので、お時間のある方はそちらも読んでみてください→抗菌薬を服薬してからの下痢

盲腸 わずかな黄白色の付着物と発赤粘膜が散在

 

もう1症例、こちらも以前に経験したのと似た症例になります。35歳男性で自覚症状はなく健診として初めて胃カメラ検査を受けられた患者さんです。

胃底腺と幽門腺の境界領域の胃角部にわずかに白色(褪色調)の平坦な(0-Ⅱb型)7mm程度の所見を認めました。ピロリ未感染と判断した場合、普段からこの胃底腺と幽門腺の境界領域を意識して観察しているなかで、正直なところ癌と確信はしていませんでしたが、生検したところ印環細胞癌でした。

連携している医療機関に紹介、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)をして頂き、今回も幸い粘膜内癌で治癒切除となりました。前回症例のリンクも貼っておきますので、読まれていない方はご参考ください→10月の内視鏡実績(2022年)
最近、こちらの内視鏡実績では同じ疾患のリピートが多くなっていましたが、これまで掲載していない疾患も少しストックされてきましたので、来月以降は違った疾患を掲載できればと思っています。