胃カメラ199件、大腸カメラ102件でした。年が明けてから内視鏡検査予約は少し緩和され、平日であればおよそ3週間待ちです。キャンセルもよくありますので、早く検査をご希望の方は時々胃カメラ予約画面をチェックして頂ければと思います。土曜日も緩和はされましたが、まだ予約が6週間待ちとなっています。なお、土曜日は予約枠を少しでも確保するために、お一人で2枠の予約枠を使う胃カメラ・大腸カメラの同日検査には対応していませんので、ご了承ください。
今回取り上げる画像は大腸カメラをしている施設ではそれほどめずらしいとは言えないですが、直腸NETという疾患です。NETは神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor)の略で全身の臓器に発生しますが、消化管に発生するNETのなかでは直腸が半数以上を占めます。以前はカルチノイドという用語が使用されていました。患者数は増加傾向にありますが、昨年7月から11月までの5ヶ月間で4名も患者さんがいました。おそらく偶然だと思いますが(実際12月と1月に新規の患者さんは1人もいません)、当クリニックのような小さなクリニックで短期間に4名は多いと思いました。診断した日付は前後しますが、まず3名の内視鏡画像を載せます。
3名とも似たような黄色の粘膜下腫瘍様の隆起病変となっています。こちらの3名は生検をしたあとに紹介先の医療機関にてESMR-Lという方法で内視鏡的に切除して頂きました。もう1名はサイズが小さいですが、同じく直腸NETを疑い生検するも腫瘍成分が採取できませんでした。病理(組織診断)のコメントにxanthoma細胞を認めるとあったため経験したことないですが黄色腫?とも考え、患者さんに他院を紹介することも選択肢として提示した上で当クリニックでの治療に同意して頂き、先月末にUEMR(underwater EMR)という方法で切除しました。結果は結局、こちらも直腸NETで、幸い断端陰性で取り切れていました。
直腸NETは1cm未満で表面に潰瘍や陥凹がなければ内視鏡的に切除してもいいとされています。小さなクリニックですので無理をしないのは大前提ですが、紹介した場合の患者さんが負担する時間・費用面を考えると、6〜7mm程度までの小さなものであれば、今後は発見したその場で切除することを考えたいと思います。