皆さんこんにちは。
札幌はたけやま内科スタッフです。
今回は2回目のスタッフブログとなります。
高血圧をテーマに有益な情報をお届けできればと思います。
詳しくは以下の内容に沿ってご紹介しますのでご興味のある方はぜひご覧ください!

☝️高血圧とは? 
高血圧が引き起こす病気や治療方法

☝️減塩のポイント
調理や味の工夫           

☝️減塩レシピの紹介 
主菜2品(肉料理と魚料理)
をご紹介                               

高血圧とは?

高血圧治療ガイドラインによると、高血圧は慢性的に血圧が基準値を超えて高い状態のことを言います。具体的には、医療機関で測る血圧のうち、上の血圧が140mmHg以上、または下の血圧が90mmHg以上の場合あるいはこれらの両方を満たす場合に診断されます。また、自宅で測る血圧のうち、どちらか一方でも135/85mmHgを超える場合も高血圧と診断します。高血圧は日本で患者数が最も多い病気と言われています。

高血圧が引き起こす病気

高血圧は自覚症状がないことがほとんどです。高血圧が進むと次第に動悸、息切れなどの症状があらわれる他、脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし(=血管が硬く狭くなること)、腎臓のはたらきが悪くなることもあります。そして脳卒中や心臓病腎臓病など重大な病気になる危険性が高まります。

治療方法

かかりつけ医と相談しながらお薬での血圧コントロールの他、食事・運動などの生活習慣の修正を組み合わせておこなうことで予防や改善が期待できます。とく食塩制限(減塩)は食塩摂取量の多い日本人にとって降圧効果が大きいと言われています。1日の食塩摂取目標量(15歳以上)は男性7.5g未満、女性6.5g未満、高血圧の方で6g未満です。高血圧の方に限らず、子供のころから食塩摂取量を少なくすることで、加齢による血圧上昇が抑えられ、高血圧になる危険性を低くすることができます。そこで今回は減塩のため工夫やレシピを紹介していきたいと思います。

減塩のポイント

1.調理の工夫

おひたしや和え物の野菜は水気をよく切ってから味をつける 
ゆがいた水分が過剰に残っていると、味付けをしても薄く感じてしまいます。水気をしっかり切ってから味をつけると調味料を使いすぎることがありません。

少量の計量器を使用する
しっかりと計量をすることが食塩の摂りすぎ防止になります。また、計量するための道具を小さな計量スプーンなどに代えることで、毎日の料理に簡単に取り入れることができます。

「かける」より「つける」 
お刺身やトンカツなど食べる直前に調味料を使う際は、料理に直接かけるのではなく、小皿に調味料を出してつけることで塩分の摂り過ぎを防ぐことができます。

2.味の工夫

香辛料を効かせる 
塩味のおかずだけでなく、酸味や香りを利用した味付けのおかずを1品取り入れることで、献立にアクセントをつけることができます。また、様々な味付けのおかずがあることで食事全体の満足感も上がります。

出汁を使ってうま味を活かす   
出汁にはイノシン酸やグルタミン酸といった旨味が含まれています。お味噌汁や煮物を作る際に出汁をしっかり効かせると、その他の調味を少量にしても満足感がある味になります。

減塩の調味料を利用する  
最近ではスーパーでも手に入りやすくなり、今までの調味料と代えるだけでいいので、減塩の工夫として取り入れやすいです。ただし「減塩」と書かれた調味料もかけ過ぎると塩分の摂り過ぎになるためご注意を!

そのほか… 体内の余分な塩分を排出するにはカリウムが効果的

カリウムとナトリウムはともに濃度を一定に保ち、バランスを取り合いながら細胞内外の浸透圧を維持し、血圧の調整をしています。カリウムはナトリウムを排泄する働きがあり、
ナトリウムの腎臓での再吸収を防ぎ、尿中への排泄を促します。

カリウムは野菜果物海藻に多く含まれています水に溶けやすいため、サラダや汁も一緒に食べることができるスープがオススメです!
コンビニやスーパーでお弁当やお惣菜、お菓子などを購入するときに、「食塩相当量」をチェックする習慣をつけるのも減塩への第一歩です! 

                         

減塩レシピのご紹介

  鶏肉の香味ねぎダレ

【おすすめポイント】
お酢の酸味ねぎ・しょうが・にんにくの香味を活かすことで、減塩しながら満足感を得られます。また、タレは白身魚や茹でた鶏肉にかけて食べるのもおすすめです!

1日の塩分目安 高血圧の方6.0g
15歳以上の男性7.5g  女性6.5g

【1人分の栄養価】
エネルギー 224kcal
炭水化物 7.1g
たんぱく質 13.8g
脂質 15.9g
食塩相当量 0.9g
【材料】 【分量 (2人分)】
鶏もも肉      160g
塩少々       (0.6g)
こしょう      少々
片栗粉       大さじ1
サラダ油      大さじ1[タレの材料]
長ねぎ         30g(10〜15cm程度)
酢         小さじ2
醤油          小さじ1
砂糖        小さじ2
しょうが      2g(1/2片)
にんにく      2g(1/2片)
ごま油       小さじ1/4

【作り方】 (調理時間:約15分)
1.しょうが、にんにくをすりおろす(すりおろしチューブでも可)
2.長ねぎをみじん切りにし、3分ほど水にさらして水気をきっておく(※)
3.タレの材料を全て混ぜ合わせる
4.鶏もも肉に塩、こしょうで下味をつけ、片栗粉をまぶす
5.油を引いたフライパンで皮目がこんがりするまで焼き、裏返して中まで火を通す
6.焼いた鶏もも肉を皿に盛り、タレをかけて完成

※:長ねぎは水にさらして辛味をとった後、タレが薄まらないようによく水気を切ってください

 

鮭と彩り野菜のカレー炒め 

【おすすめポイント】
カレースパイスの香りバターのコクが加わることで風味豊かな減塩レシピになります!これから旬の夏野菜(ズッキーニ、ナス、オクラ…)を入れても美味しく食べられます!

1日の塩分目安 高血圧の方6.0g
15歳以上の男性7.5g  女性6.5g

【1人分の栄養価】
エネルギー 214kcal
炭水化物 5.4g
たんぱく質 18.9g
脂質 12.3g
食塩相当量  1.1g
【材料】 【分量 (2人分)】
生鮭        160g(2切れ)
塩         2g(小さじ1/3)
こしょう      少々
カレー粉      小さじ1
小麦粉       小さじ2
アスパラ      45g(3本程度)
パプリカ      40g(1/4個程度)
サラダ       油小さじ2
有塩バター     大さじ1

【作り方】 (調理時間:約20分)
1.鮭を4等分に切り、塩とこしょうで下味をつける
2.下味をつけた鮭にカレー粉(分量の半分を使用)、小麦粉の順番でまぶす
3.アスパラガスは根元から3cm程の硬い部分をピーラーで薄く皮を剥き、3cmの長さに斜め切りにする、
パプリカは2cm角程度の大きさに切る
4.サラダ油を熱したフライパンで鮭を両面焼き色がつくまで中火で焼く
5.鮭は一度皿に取り出し、同じフライパンで3の野菜を炒める
6.材料に火が通ったら、鮭と残りのカレー粉とバターを加える
7.全体に調味料がよく絡んだら火を止め、器に盛り付けて完成 

まとめ

今回は高血圧をテーマに、食塩制限を中心に紹介しました。 

高血圧の方は、

☝️定期的な血圧測定

☝️かかりつけ医と相談しながら血圧のコントロール

☝️生活習慣の見直し(とくに食塩制限は降圧効果大)

が大切になります。

現在、高血圧ではない方も今回のブログによってご自身や周囲の方の食生活を見直すきっかけになれば幸いです。次回のブログもお楽しみに!  

 

 

【参考文献】
日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン.ライフサイエンス出版,2019年
平田恭信:高血圧 最新治療と食事.高橋書店 , 2017年
伊藤 貞嘉、佐々木 敏:日本人の食事摂取基準 . 第一出版, 2020年
中嶋加代子、山田志麻:調理学の基本 第五版.同文書院,2020年
公益社団法人日本フードスペシャリスト協会:調理学. 建帛社, 2015年
足立香代子:決定版栄養学の基本が丸ごとわかる事典. 西東社, 2016年