胃カメラ187件、大腸カメラ121件でした。胃カメラ予約が平日でも約1ヶ月半、土曜日は2ヶ月半待ちになっており、症状があり検査を希望したい方にはご不便をおかけしています。過去の内視鏡検査が辛かった方は一度当院で検査を受けて頂きたいとの思いが強いのですが、当院で検査を受けると「これから毎年ここで検査を受けたい」と希望される方が多くいらっしゃいます。誠に申し訳ございませんが、健診目的の毎年の検査はお断りしており、少しでも検査枠を確保し、できる限り初めての方がすぐに検査を受けてもらえるように配慮しています。同じ理由で団体の健診内視鏡検査はお断りしています。札幌市の胃がん検診(胃部内視鏡検査)も対応しておりません。毎年や2年に1回の定期検査の患者さんを多く検査するほうが、検査までがスムーズで検査後の結果説明も短くて済むため、まったくの初診の方よりこちらとしては楽ができます。しかし、当院は健診センターではなく普通の保険医療機関であるのと、クリニックの存在意義を考えて現在の方針でさせてもらっています。ご理解いただけると幸いです。

今月は検診の胃バリウム検査にて異常を指摘され来院された30歳台女性の胃カメラ検査です。胃バリウム検査の指摘部位とは別に偶然、食道に黄白色の隆起性病変を認めました。

以前にも経験していたので見たときにだいたいわかりましたが、生検にて顆粒細胞腫と診断されました。

好酸性顆粒を有する腫瘍細胞が増生

食道顆粒細胞腫とは食道の粘膜下神経叢を形成しているSchwann(シュワン)細胞が起源と考えられ、顆粒細胞腫の2~8%は消化管に発生し、食道、大腸、胃の順に多くなっています。食道粘膜下腫瘍のなかでは平滑筋種に次いで2番目に多くなっています。多くは良性腫瘍ですが、1〜3%で悪性の報告もあります。内視鏡検査では黄白色調で粘膜下腫瘍の形態をとり、この症例では認めませんでしたが、中央がわずかに陥凹することが多く、腫瘍は上皮直下に存在するため生検で診断可能なことが多いそうです。この患者さんにはすでに結果を説明しており、わずかながら悪性の報告もあるため、患者さんの都合がつき次第、内視鏡的に切除してもらうため連携医療機関に紹介予定です。最後に、過去に当クリニックで経験した同じ食道顆粒細胞腫の画像も載せておきます。当時20歳台の女性患者さんで、紹介先でESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行い治癒切除となっています。