胃カメラ207件、大腸カメラ100件でした。今月は全体の件数も少なめではありましたが、特に大腸カメラの件数が少なかったのは、大腸カメラの枠を使って胃カメラも行う胃カメラと大腸カメラを同日に行う患者さんが多かったのも要因と思われます。たしかに両方の検査が必要な方は1日で終わらせた方が楽だと思いますので、当院で一度検査を経験した患者さんは2回目以降にそのように予約を取られる方が多くなっています。ただ、胃カメラ、大腸カメラ同日の検査予約を取られ、それが直前でキャンセルになると2枠分の検査の空きができ、当院としての損失が大きいです。1週間前までの大腸カメラ事前受診に来院されず、結局キャンセルになる方は初めて当院で予約される患者さんがほとんどのため、初回の胃カメラ、大腸カメラ同日検査をお断りすることも最近少し検討しています。大腸カメラの事前受診は早めの来院をお願い致します。
今月は先月予告していた患者さんです。当時50歳台の女性患者さんで胸から背中にかけての痛みで当院を初診されました。胃カメラ検査をしたところ、ひとつひとつは先月提示した内視鏡画像と同じような食道の潰瘍病変でしたが、食道全体に多発していました。
実はこの患者さんは他にも口内炎、陰部潰瘍、皮疹(結節性紅斑)などの症状を認めていました。ここで医師なら「あー」という感じですが、リウマチ膠原病のクリニックを受診され、ベーチェット病と診断されています。さらなる精査のため入院となった病院で大腸内視鏡検査を行ったところ回盲部にも潰瘍を認め、腸管ベーチェット病に矛盾しない所見であったそうです。ベーチェット病の治療が開始となり、1年後に当院に胃カメラを検査を受けに再診されましたが、食道潰瘍は綺麗に治癒しておりました。

初診から1年後の食道
来月以降もクリニックで経験した稀な疾患を中心に内視鏡画像を載せていきたいと思います。