胃カメラ209件、大腸カメラ122件でした。キャンセルでの空き枠を抜きにすると、内視鏡検査予約は平日およそ3週間待ちで推移しています。平日火曜日〜金曜日の午後であれば電話で胃カメラと大腸カメラを続けて予約を取ることも可能ですが、キャンセルとなると1時間検査枠が空くことになるため、コロナなどの体調不良以外ではキャンセルにならないような予定を組んで頂けると助かります。
今月の症例は59歳女性の方ですが、1年5ヶ月前に大腸内視鏡検査をした際に診断はついており、今月、そのフォローアップの大腸内視鏡検査を行いました。
上行結腸に粘膜下腫瘍様の隆起病変が多発しています。これは腸管嚢胞状気腫症と言われる疾患です。個人的には医師1年目の時に学会発表した疾患でしたので馴染みがあるのですが、一般的にはめずらしい疾患になります。腸管壁内に多数の気腫性嚢胞が生じたものですが、さまざまな基礎疾患に伴って発症することがわかっています。また特定の薬剤で発症することもあります。この患者さんは特に基礎疾患や原因薬剤服用もなく、腸管嚢胞状気腫症に起因する自覚症状もなかったため、経過観察としました。今回の検査では前回と比較して、特に縮小傾向や増大傾向は認めませんでした。
なお、同じ患者さんですが最初の検査の時には大腸黒皮症(偽メラノーシス)という、腸が黒くなる所見も認めていました。こちらはよく遭遇する所見ですが、センナやアロエ、大黄(ダイオウ)などの下剤が原因となってメラニン色素が沈着します。結果的には腸の動きが悪くなり、逆に便秘を悪化させることにつながります。この患者さんはアロエを長期間摂取されていたので、検査後に摂取をやめてもらうことにしました。1年5ヶ月後の今回の検査で改善していたので、ついでに画像を載せておきます。
4月からも月々の内視鏡件数とめずらしい疾患があればこちらのお知らせに載せていこうと思います。