今年5月19日から「サルプレップ」という新しい大腸検査用の下剤(腸管洗浄剤)が発売になり、当クリニックもすぐに導入しました。現在、当クリニックは「モビプレップ」という大腸検査用下剤をメインとして使用しているため、モビプレップと比べてどうなのか?を検討することにしました。
以前に当クリニックでモビプレップを使用し大腸内視鏡検査を受けた経験のある患者さんが、あらためて大腸内視鏡検査の事前受診に来院された際にサルプレップを勧めてみました。なお、サルプレップが日本で承認される際におこなった臨床試験もモビプレップとの比較試験でしたので、一番重要な点である腸管洗浄効果が問題ないことは事前にわかっていました。実際飲みやすいかどうか?が知りたかった重要なポイントでした。
これまで20名の患者さんにサルプレップを服用してもらい以前のモビプレップと比較してもらった結果ですが、どちらも飲みやすいとは言えないが7名、どちらもスムーズに飲めたが4名、サルプレップの方が飲みやすかったが6名、モビプレップの方が飲みやすかったが3名でした。
サルプレップの一番大きなメリットは下剤の飲む量がモビプレップの約半分でよいという点です。そこが評価されて、どちらも飲みやすいとは言えないと回答してくれた方も全員、次回もサルプレップでいいとおっしゃっていました。できれば2リットル飲んでほしいモビプレップも最初は「意外と飲みやすい!?」と感じても、だんだん味が口の中にたまってきて、1リットル飲んだところで「心が折れそうになった」という方も少なくないです。
サルプレップも決して量が少ない訳ではありませんが、480mlのペットボトル2本分960mlと下剤の量がモビプレップの約半分になることは大きいと思います。他には、飲みやすくするためにモビプレップもサルプレップも事前に冷やして飲んでもらっています。今は夏なので関係ないですが、モビプレップは量が多い分、特に冬(北海道のせいもあるでしょうか?)は体が冷えて辛いという方が多いです。その点もサルプレップであれば量が少ない分、体の冷えも少なくて済むと考えています。
現時点では、当クリニック独自のサルプレップの服用動画が完成次第、当クリニックのメインの下剤をサルプレップに変更する予定です。まだ誰にでも飲みやすく、かつ腸管洗浄効果も高いという大腸検査用下剤はないというのが実情ですが、サルプレップを服用した患者さんからの感想をもとに飲み方を工夫したり、患者さんごとに適した下剤をお勧めできるように経験を積んでいきたいと思います。 もう少し詳しい大腸検査用下剤の説明をブログにしました。
お時間のある方はこちらもご参考下さい→大腸検査用下剤ってどんな感じ?