胃カメラも大腸カメラも受けたい

当院では胃カメラと大腸カメラを両方受けたい方は、まず電話かネットで胃カメラを予約します。予約受診した日の胃カメラ終了後に大腸カメラの検査日を決めて下剤を持って帰り、大腸検査日にあらためて受診するというのが通常の流れです。
少し前に胃カメラ、大腸カメラを両方受けたい夫婦が来院されましたが、その日は食事を摂られていたので胃カメラ検査はできませんでした。検査日を相談する時に1日で胃カメラ、大腸カメラをしてほしいと希望がありました。

1日で胃カメラと大腸カメラをする手順

1日で胃カメラ、大腸カメラを行う場合、通常当院では自宅であらかじめ下剤を飲み終えてから大腸カメラを行い、連続して胃カメラをしています。二酸化炭素を使用しているのでお腹は張りにくいですが、先に胃カメラをしてお腹に空気が入った状態ですぐに大腸カメラをすると辛くなりやすいためです。先の夫婦の検査希望日はすでに大腸カメラの予約の方が他にも入っていたので、大腸カメラ終了直後に胃カメラまで行う時間的余裕はなく、まず先に午前中に胃カメラをすることにしました。このように朝早くに胃カメラを行い午後に大腸カメラをする場合、これまでなら胃カメラ終了後に下剤を内服してもらい便が綺麗になってから大腸カメラの検査を行うという方針でしたが、この時は胃カメラ検査中に大腸カメラ用の下剤を入れることにして、当初は口から下剤を飲まなくて良いことにしようと思いました。

大腸カメラ検査用の下剤を飲まなくてもよい方法

最近、導入している施設が増えているようですが大腸カメラ前に胃カメラを行い、その際にカメラ(内視鏡)から直接下剤を注入するという方法です。今回その方法を試してみようと思った理由は、もともと私自身が大腸カメラの時の下剤を推奨されている飲み方より早く一気に飲みましたが、問題は起こらず、短時間で検査可能な状態になった経験があったこと、最近勘違いして同じように一気に下剤を飲まれ、同じように短時間で検査可能な状態になった患者さんがいらしたので、検査用の下剤を一気に体に入れることはそれほど大きな問題は起きにくいと思ったからです。

大腸カメラ用の下剤2リットル容器(モビプレップ)

実際、当院で行なった結果

検査当日、実際胃カメラを入れて十二指腸と胃から大腸カメラ検査用の下剤(商品名モビプレップ)を注入しました。患者さん側に問題は起きなかったのですが、ここでひとつ当院の事情的な問題が発生。
あらかじめ想像はつきましたが、経鼻の内視鏡スコープを使い50mlのシリンジで下剤を注入する方法では、時間がかかりすぎました・・・
お待ちになっている外来患者さんもいらしたため、結局500mlだけ注入し、あとは通常どおり内服してもらうことにしました。
結局、たぶんこの方法を導入している施設は経口の太めのスコープでウォータージェット(ポンプ式で水を注入できる)を使用していると思います。そして経口で内視鏡を挿入されたまま少し時間がかかるので鎮静薬を使用して検査するのでしょう。
一気に下剤を流す方法は進行大腸癌などの腸閉塞症状がないことや脱水になやりやすい高齢者などは行いにくいと思いますが、設備と医者に時間の余裕があるなら行なっても良いかなという印象は受けました。

どういう方が良い適応?

以前に大腸検査用の下剤を飲んだ時に吐いてしまった方などは良い適応と思います。残念ながら当院では、主に検査時間的なことから現時点では積極的に胃カメラから下剤の注入は導入しないと思います。以前、大腸用の下剤で吐いた方は50錠を内服することにはなりますが、水分は水かお茶で良いタイプの下剤を勧めると思います。

私の個人的な疑問点

私の個人的な疑問点として通常は便の性状をみながら下剤を飲んでいくので、人によっては1リットルだけで良い方もいれば2リットル必要な方もいて、飲む総量は患者さんそれぞれバラバラです。まとめて下剤を入れる時、どれくらいの量を入れるのか? 人によっては足りなかったり、多すぎたりすると思います。おそらく多い分には脱水に注意すれば問題ないと考え、多めに入れているのでしょうか?
また胃カメラ検査で鎮静薬を使用したあと、大腸カメラでも鎮静薬を使用している様なので、胃カメラが終わったあと点滴の管はいったん抜いて刺し直すのか?入れたままロックしておくのか?などは気になります。
進行大腸癌がないことを事前にCTなどでチェックできていれば安心して一気に下剤を注入しやすいのですが、問診や診察だけで腸閉塞ぎみになっている進行大腸癌がないことを確実に否定できるかも心配な点です。

通常は水と交互にゆっくり飲んでいきます。

まとめ

大腸検査用の下剤ですが、正直7割くらいの方は飲みにくいと言われ、時には吐いてしまう方もおられます。私のように問題なくゴクゴク飲める人もいます。
残念ながら当院では今後も胃カメラからの下剤注入を積極的に行なっていく予定はありませんが、大腸カメラ用の下剤を飲みたくないと思っている方は導入している施設に問い合わせていただくのが良いと思います。その際にこのブログが少しでも参考になれば幸いです。